
この記事の結論:ドローンの夜間飛行は国土交通省の許可・承認が必要です。ただし国家資格は必須ではなく、資格がなくても申請して許可・承認を受ければ飛ばせます。一方、屋内飛行は航空法の対象外なので許可は不要です※1※2。
| 夜間飛行 | 屋内飛行 | |
|---|---|---|
| 国の許可・承認 | 必要 | 不要 |
| 国家資格 | 不要(あれば条件付きで申請を省略できる) | 不要 |
| 申請期限 | 飛行予定日の10開庁日前まで | なし(施設管理者の了承は必要) |
夜間飛行・屋内飛行とは
航空法では、日の出から日没までを「日中」としており、それ以外(日没後〜日の出前)に行うドローン飛行を夜間飛行と呼びます。
屋内飛行は、建物の中など、機体が外に出られない空間での飛行です。国土交通省のQ&Aでは、屋内での飛行は航空法の規制の対象外で、人口集中地区(DID)の中にある建物でも許可は不要とされています※2。
ネットで囲えば屋外でも「屋内」扱いになる
四方と上部をネットなどで囲い、機体が飛行範囲の外に出られない状態であれば、屋外でも屋内とみなされ、許可は不要です。ゴルフ練習場や、ネットで囲った工事現場などが例として挙げられています※2。逆に、窓や扉が開いていて機体が外に出られる状態では、屋内とはいえない点に注意しましょう。
ドローンの夜間飛行に必要な許可・承認
夜間飛行は、航空法で定める「特定飛行」の一つです。機体の重さ(100g以上)が無人航空機に当たる場合、夜間に飛ばすには次の手続きが必要です。
- 申請先:国土交通省(オンラインの「DIPS 2.0」から申請)
- 申請の種類:飛行方法の承認(夜間飛行)
- 申請期限:飛行開始予定日の少なくとも10開庁日前(土日・祝日を除く)まで。書類に不備があると間に合わないことがあるため、国土交通省は3〜4週間程度の余裕を持つよう案内しています※1
夜間飛行の許可を受けるための条件
国土交通省の審査要領では、夜間飛行の許可・承認の基準として、主に次の3つが定められています※3。
- 機体:機体の姿勢と向きが正確に見えるよう、灯火を備えていること(飛行範囲が照明で十分に照らされている場合を除く)
- 操縦者:夜間でも、決めた飛行経路を維持して飛ばせること。その能力がない場合は、第三者が立ち入らない場所で夜間飛行の訓練を行うこと
- 安全体制:日中のうちに飛行経路と周りの障害物を確認しておくこと、飛行経路全体を見渡せる位置に補助者を置くこと、離着陸場所を照明などではっきりさせること
夜間飛行に資格は必要?
国家資格(無人航空機操縦者技能証明)は、夜間飛行の必須条件ではありません。資格がなくても、DIPS 2.0で申請して許可・承認を受ければ夜間飛行ができます。
資格の役割は「申請の省略」です。次の条件をすべて満たすと、夜間飛行でも個別の許可・承認申請が不要になります※1。
- 一等または二等の技能証明を持ち、夜間飛行の限定解除を受けている
- 機体認証を受けた機体を使う
- 機体の総重量が25kg未満
- 飛行経路の下に第三者が立ち入らないよう立入管理措置をとる
- 飛行マニュアルを作成して守る
つまり「資格がないと飛べない」のではなく、「資格と機体認証があれば申請を省略できる」という関係です。国家資格の詳細はドローンの国家資格の解説記事で紹介しています。
夜間飛行の安全対策(実務のポイント)
- 機体を常に目で見える状態に:目視外飛行の承認を別に受けていない限り、機体を目で見ながら飛ばすのが原則です
- 日中の下見:暗いと地面や電線などの障害物が見えにくいため、日中に飛行経路を確認しておきます
- 気象の確認:夜間は風や視界の変化に気づきにくいため、気象データを事前に確認し、飛行中も注意します
- 保険:万一の事故に備え、賠償責任保険に加入しておきましょう(ドローン保険の解説記事)
屋内飛行のルールと注意点
屋内(展示ホール・工場・体育館・倉庫など)での飛行は、国土交通省への許可申請は不要です※2。ただし、次の点には注意が必要です。
- 施設管理者の了承:建物の所有者・管理者から、事前に飛行の了承を得ておきましょう
- 人がいる場所での安全対策:人が集まるイベントなどでは、プロペラガードの装着や飛行エリアの区切りが基本です
- GPSが使えない:屋内ではGPSが届きにくく、機体が流されることがあります。金属の多い建物では通信も不安定になりやすいため、手動操縦の技術と事前の動作確認が欠かせません
- 保険への加入:屋内でも、墜落や接触事故に備えて保険に入っておくと安心です
夜間・屋内飛行の主な活用シーン
1. 設備・施設の点検
夜間に止まる生産ラインや、工場・倉庫内の設備を点検する場合、日中の業務を止めずに作業できます。
2. 警備・監視
夜間の施設周辺の巡回や監視に使われています。赤外線(サーマル)カメラ付きの機体なら、暗い場所でも人や熱源を見つけやすくなります。
3. 夜間イベント・ドローンショー
花火大会やイベントでのドローンショーは、夜間飛行の代表的な使い方です。
4. 映像制作・広告撮影
夜景やライトアップされた建物の撮影など、日中とは違う映像表現ができます。
5. 屋内の展示・体験イベント
商業施設やショールームでのデモ飛行、学校・研究機関での実演などに使われています。
夜間の点検・監視には、赤外線カメラを搭載したMavic 3 ThermalやMatrice 30Tなどの機体が向いています。ROBOTSHAREでは、これらの機体をレンタルでご用意しています。
許可取得から飛行までの流れ
- 飛行計画を決める:日時・場所・目的・使う機体を決めます
- 資格・機体認証を確認する:申請を省略できる条件に当てはまるか確認します
- DIPS 2.0で申請する:飛行予定日の10開庁日前まで(実際は3〜4週間前が目安)に申請します
- 安全装備を準備する:灯火・照明・保険などを手配します
- 日中に下見をする:飛行経路と障害物を確認します
- 飛行前ブリーフィング:補助者と気象・緊急時の手順を共有します
よくある質問
Q. 屋内でドローンを飛ばすのに許可は必要ですか?
A. 不要です。屋内での飛行は航空法の規制の対象外のため、人口集中地区の中にある建物でも国の許可は要りません。ただし、施設管理者の了承と安全対策は必要です。
Q. ドローンの夜間飛行に資格は必要ですか?
A. 必須ではありません。資格がなくても、DIPS 2.0で申請して国土交通省の許可・承認を受ければ夜間飛行ができます。一等・二等の技能証明(夜間の限定解除あり)と機体認証があり、総重量25kg未満・立入管理措置ありなどの条件を満たせば、申請を省略できます。
Q. 夜間飛行の申請はいつまでに出せばいいですか?
A. 飛行開始予定日の少なくとも10開庁日前(土日・祝日を除く)までです。書類に不備があると間に合わないことがあるため、3〜4週間程度の余裕を持って申請しましょう。
Q. ネットで囲えば屋外でも許可は不要ですか?
A. 四方と上部をネットなどで囲い、機体が飛行範囲の外に出られない状態であれば、屋内とみなされ許可は不要です。
Q. 100g未満のドローンなら夜間でも許可は不要ですか?
A. 100g未満の機体は「無人航空機」ではなく「模型航空機」に当たるため、夜間飛行の許可・承認は不要です。ただし、空港周辺や一定の高さ以上の飛行の規制や、重要施設周辺の飛行禁止などは対象になります。
まとめ
ドローンの夜間飛行は、国土交通省の許可・承認が必要です。国家資格は必須ではなく、資格と機体認証があれば条件付きで申請を省略できます。屋内飛行は航空法の対象外で許可は不要ですが、施設管理者の了承と安全対策は欠かせません。
夜間・屋内飛行に使うレンタル機体の選び方や運用については、ROBOTSHAREにお気軽にご相談ください。
